ご覧いただきありがとうございます。Run KのKです!
今回紹介するのはASICSのTARTHER RP3(ターサーRP3)です。
実は私Kにとって2回目の購入で、前回は北海道・金沢・奈良・京都・東京・びわ湖マラソンと走り込み、合計1,300kmを耐え抜いたシューズです。
その間にフルマラソンのタイムも4時間52分から4時間10分まで更新できた、とても思い入れの深い一足。今回新しく購入したので、改めてレビューしていきます。
TARTHER RP3とは?薄底の王道シューズ

国内メーカーの薄底シューズといえばターサーRP3というくらい有名で、薄底の王道シューズと言っていいでしょう。トラック・ロード・短距離・中距離・長距離と幅広く愛用され、学生から市民ランナーまで年齢層も幅広い。最初に履く薄底シューズとしてRP3を選ぶ方も多く、私K自身もRP3が初めての薄底シューズでした。
公式では「自分の足で蹴る感覚を研ぎ澄ませたレーシングシューズ」と紹介され、レースだけでなくスピードトレーニング・テンポランへの使用も推奨されています。
ソールの厚さと内部構造
ターサーRP3は薄底シューズの中では「やや厚め」の部類で、公式スペックではソールの最大厚さ30.5mmとされています。
ただし実際に自分で計測してみると、どう測っても30mmには届かず、シューズ内部のくぼみを考慮すると実質25mm程度ではないかというのが私の感触です。
ADIZERO RC6の19mmより厚く、ADIZERO JAPAN 9の27mmよりわずかに薄い——そのくらいの感覚です。
ソール内部にはPROPULSION TRUSSTICという樹脂製パーツが入っており、シューズのねじれを防止してくれます。これにより着地した足が左右にブレず、真っ直ぐ前に出るようにサポートしてくれる仕組みです。
最近の厚底40mmほどのシューズと比べると十分に薄底ですが、若干のサポートもある——地脚を鍛える目的に大いに貢献してくれるシューズだと感じています。
良かった点①|1,300km走っても変わらない圧倒的な耐久性

一番のグッドポイントは、この耐久性です。
私はターサーRP3で合計1,300kmを走りました。かかと部分のAHARPLUSが削れてなくなったらシューズを交換するスタンスで履いていたのですが、1,300km前後までそのかかと部分が持ちました。
ここで言う耐久性の良さは、単に「1,300km持つ」というだけではありません。ターサーRP3はクッション性が高いシューズではありません。
公式ではFF BLASTミッドソールが「反発性を提供」とされていますが、厚底シューズと比べると反発はほとんど感じられないと言っていいでしょう。かかと部分や前足部にほんのりと柔らかさがある程度です。
ただ、だからこそ走行距離を重ねてもソールがへたってクッション性が落ちるということがほとんどない。最初に買った時と1,300km走った後の履き心地がほとんど変わらなかった——これがターサーの耐久性の本質です。
クッション性の低さを良い点と取るか悪い点と取るかは人それぞれですが、薄底トレーニングシューズという立ち位置で考えると、クッション性があまりないのはむしろ良いことだと感じています。
クッションに頼らない分、着地の衝撃に耐えられる足作り・自分の足で反発を生み出すトレーニングができるからです。耐久性を重視して薄底シューズを探している方には、ターサーのこの「長持ち」がきっと気に入っていただけるはずです。
良かった点②|路面を噛んで離さないグリップ力

シューズの裏を見ると、非常に特徴的なギザギザ形状があります。これが3Dテトラソールで、見ただけで「グリップめちゃくちゃ良さそう」と感じさせてくれる形です。
さらにつま先部分にはASICSグリップアウターソールが配置されており、蹴り出しの最後の最後までエネルギーを逃さない設計になっています。
この動画を撮影した日は雨で、路面に水たまりがあって滑りやすい状態でしたが、3DテトラソールとASICSグリップのおかげで濡れた路面でも一切滑ることなく走れました。
キロ6分からキロ4分30秒くらいのスピードで色々なシーンで走りましたが、滑りそうになる場面はゼロでした。
グリップの価値は「滑らない安心感」だけではありません。グリップ力が弱いと、地面を押した力の一部が逃げてエネルギーロスが生じます。
TARTHER RP3は自分が蹴った力をそのまま推進力に変えてくれる感覚がある。特にスピードを上げる場面やコーナーでは、このグリップ性能のありがたさをより実感できます。地面を押した力を無駄なく前への推進力に変えてくれる、優れたアウトソールです。
良かった点③|どのスピードでも変わらない一貫した走り心地

シューズの中にはゆっくり走ると固く感じたり、逆に速く走った時に初めて本来の性能を発揮するものがあります。でもターサーRP3はジョグのペースでもスピードを上げた時でも、足当たりや反発の感覚がほとんど変わりません。
- 「今日はジョギングだからこのシューズ履きづらいな」
- 「ペース上げる時じゃないとターサー履きにくいな」
ということが一切ない。
シューズが自分のどんなペースにも自然とついてきてくれる感覚——これがターサーRP3の大きな魅力だと感じています。
実際、この動画でキロ6分〜キロ4分30秒と繰り返し走りましたが、スピードが上がったからといって反発が強くなってきたということはほとんどありませんでした。
どのスピードで走っても履き心地が変わらないのは、着地してから反発を感じるまでのレスポンスが非常に速く、スピードに関係なくすぐに反発を得られるからではないかと思います。どのスピード帯でも自然に一貫した走りができる点が、RP3の隠れた強みです。
気になった点|突出した特徴がない

全体的な完成度は高いと感じています。ただ、バランスが取れている分、ここが圧倒的にすごい、という突出した特徴がないのが気になる点です。
例えば、ソールの厚みは20mm以下ではないため陸連公認競技会の20mmルールはクリアしていませんし、かといって強い反発や推進力があるわけでもない。
昔から履かれてきた歴史という点では右に出るものはないシューズですが、どこかの点で圧倒的に優れた機能を持つというわけではないので、尖った性能を求める方には少し物足りなく感じるかもしれません。
また、ターサーファンとしては、ソーティマジックがASICSのラインナップから廃盤になってしまったことが残念です。
ASICSの薄底の選択肢はかなり少なくなってきており、今後のターサーRP3にはさらに薄底での地位を固めてもらって、さらなるバージョンアップを期待したいところです。
どんな人向け?ターサーRP3が向いているランナー

ターサーRP3は反発が少なめの薄底シューズデビューをしてみたい方に向いていると思います。
以前ADIZERO JAPAN 9も「初めて薄底を履く人向け」として紹介しましたが、JAPAN 9はターサーに比べてクッション性・反発性が強い。それゆえ、生の着地の衝撃や地脚で進む力を鍛えたいストイックな方にはターサーRP3の方がおすすめです。
最初にターサーRP3を履くと、その衝撃などで痛い・疲れると感じることもあるかもしれませんが、そこを克服するのもトレーニングのうちだと思っています。
薄底シューズはクッションに頼るのではなく、自分の足で着地をコントロールして自分の力で前に進む感覚を養えます。
最初は短い距離やジョグから取り入れて少しずつ慣らしていけば、足の力・足裏の使い方が身について、薄底を履いた時の安定感や走りにも良い影響を与えてくれるはずです。
いつか薄底を履いてみたいと思っている方の最初の一足として、ターサーRP3は非常におすすめです。この薄底で鍛えた足で厚底シューズを履くと、これまで以上のパフォーマンスが出せるようになるかもしれません。
- 薄底デビューしたい・地脚を本気で鍛えたい方
- サブ4〜サブ3.5を目指しており、ポイント練習の質を上げたい方
- 厚底だけだと脚が育っていない感覚があり、土台作りをしたい方
合わない人・注意が必要な人
ゆっくりの日が多い・LSD中心で距離だけ踏みたい・故障明けで脚を守りたいという方には、このシューズのコンセプトはあまり向かないかもしれません。
薄底はフォームの癖がそのまま出ます。疲れると接地が乱れやすい人、ふくらはぎ・アキレス腱に張りが出やすい人は、導入初期に量を増やしすぎないことが大切です。
最初はゆっくりしたペースや短い距離(5kmだけ等)から入るのが安全です。
サイズ感

RP3はSTANDARDとWIDEが用意されています。判断の目安は「走ってむくんだ後に前足部が苦しくなるか」です。レースで後半に指が当たる・爪が黒くなる・前足部が痺れる経験があるならWIDEを検討する価値があります。逆に余裕がありすぎると蹴った力の伝わりやすさが薄れることもあるので、つま先の余裕(指が軽く動く)と踵のホールド(抜けない)の両方が取れるサイズを選ぶのが失敗しにくいです。
私KはSTANDARDサイズで普段の27.5cmより0.5cm大きい28.0cmを履いています。STANDARDを選ぶなら0.5cm大きめがおすすめです。
価格・カラーバリエーション

公式定価は16,500円。セールや他のショッピングサイトでは1万円ちょっとで購入できることもあります。
他の薄底シューズと比べても同程度の価格帯です。カラーバリエーションは公式サイトで定期的に入れ替わっており、一定期間に特定のカラーしか買えない仕組みになっています。
気に入ったカラーが出たタイミングで購入するのがおすすめです。
TARTHER RP3とTARTHER JAPANの違い
同じターサー系でもキャラクターははっきり分かれます。
RP3は薄底の感覚を残しつつ練習頻度を上げて伸ばすモデル。JAPANはASICS公式で「レジェンドモデル」とされ、秒単位で争うシリアスランナー向けにより走りを研ぎ澄ます設計です。どちらが上ではなく、「どの練習を主戦場にするか」で選ぶのが自然です。(筆者KはフルマラソンもRP3で走りました。)
↓TARTHER JAPANの記事はこちら
まとめ|薄底らしさと走りやすさを高いレベルで両立した一足
実際に履いて感じたのは、薄底らしさと現代の走りやすさが非常に高いレベルで両立された一足だということ。
3DテトラソールとASICSグリップによる高いグリップ力と、どのスピード帯でも変わらない自然な走りができるという点に、このシューズのハイブリッドな魅力を感じています。
派手な性能を前面に押し出したシューズではありませんが、その分ランナー自身の力をしっかりと引き出してくれる一足です。
厚底しか履いたことがなくて薄底にも挑戦してみたい方、自分の足を鍛えてもっと強いランナーになりたい方に、ぜひ一度試していただきたいシューズです。





